このところ来年度からの防衛費予算や少子化対策予算の補填方法で国会が騒がしい。防衛費については、過去あまりにもお粗末な予算でやりくりしてきた自衛隊の皆様に頭が下がるが、やっと遅ればせながら少しずつ本来の国防の姿になっていくのかなあなんて考えている。ご承知のとおり日本は三方を専制国家に囲まれており、ウクライナよりもずっと危険な状況に置かれているのだ。自衛隊の装備や施設は何年も継続維持するのだから建設国債で賄うのが当たり前と思うが、財務省は一部を税金で賄いたいという。
一方少子化対策については、財務省は社会保険料か税金で賄うという案で今進んでいるようだが、社会保険料は労使の反対も出てくるので結局税金で賄うということに落ち着かせたいのだろう。ちょっと待てよ、少子化の原因は女性がたくましく自立するようになっためで、結婚数が減ったためなんじゃないかと思う。昔は近所に世話やき婆さんがいたりしてお見合いが普通にあったけれど、今は全く聞かなくなった。日本の人口が減少しても自動運転やロボットが発達していけば、それなりに快適に生きていけるのではないか、ドイツやイギリスだって人口は7~8,000万人であるのだ。少子化対策をやるにしても、国の将来への投資なので建設国債と同じ考え方ができないのか。財務省の魂胆が垣間見える。
日本の税金は数年毎に上がっているらしい。厚労省所管の社会保険料と財務省所管の税金は徴収機関が違うだけで、ヨーロッパの国々では一括して税金として扱われる。現在の日本では、2つ合わせた徴収比率は47.5%であり、英国46%、ドイツ54%、スウェーデン54.5%、米国32.3%なので、米英よりは高く高負担高福祉国家といわれるあのドイツやスウェーデンに迫っている。中負担中福祉の日本なのにである。これに加えて防衛費と少子化対策費を税で負担するとなると・・もう想像したくない。江戸時代の五公五民の税率そのものである。「お許し下せえ、お役人様・・」である。
財務省は国民に国の借金は1,400兆円で破綻すると脅しながら税金を上げようとするが、国内・対外資産は十分有しておりバランスシート・貸借対照表は健全そのもので、資産の部と支出の部は常にバランスしている。つまり破綻はまずしない。税務役人は自分たちが差配できる予算を確保して権限を持ち、天下り先を充実させることに生きがいを感じている人種らしい。
私は以前石油会社にいたため、生活に身近なガソリン代に目を向けると、仮にリッター160円のガソリン代として、ガソリン税53.8円、石油石炭税2.0円、温暖化対策税0.8円、つまり56.6円は税金で、それらの税を載せた全体価格160円の10%16円が消費税として別に支払うことになる。ガソリン税53.8円の約半額25.1円は暫定税で本来徴収されないのだが、今も特例税として徴収されている。2023年9月からガソリン補助金が廃止されるようだが、この暫定税をスパッと止めればガソリンは安くなるのに・・これも財務省はやりたがらない。
温暖化防止・脱炭素のため、欧州各国でカーボンプライシングの動きが始まっている。おそらく日本でもその動きは活発化するはずである。つまり炭素税や石油などにかかる何らかの負担を電気自動車や原子力発電に回すといった施策が現実化する可能性が高い。そうなるとガソリン、電気、合成樹脂も値上げされるだろう。しかしバイオマス由来の樹脂材料はその対象から除外され、あるいは補助金か付くなんてことになったら、弊社のやっている樹脂材料が日の目を見るかもしれない。そんな夢を見ようかな。
2023年6月 三宅 仁
今アイ-コンポロジーが開発・製造している「Biofade」「i-WPC」はカーボンニュートラルを重要視した商品である。特にBiofadeはバイオマス由来度が高く生分解性が優れるという特長がある。なにか後世に残せる良い技術を作りたいという願望だけで、これまで走ってきたのだが、日本の世の中がやっと欧州の尻尾を視野に入れたところで、まさに日本の夜明けがちらっとみえたところである。早く頼りになる次のランナーにバトンを渡したいとも思う。日本人よ、夜明けだ早く起きなさい。