東京オリンピックが終わりました。コロナコロナで大騒ぎしていた左側の新聞も、阿部兄妹の同日金メダルのときは立場を忘れて一面トップに掲載していたのには苦笑いしました。メダリストが声を揃えて、このような環境でのオリンピック開催に感謝を述べておられたのを見て、逆に感動を覚えてしまいました。さらには海外の選手から同様に日本への感謝の言葉を聞いたときも、やはりやってよかったなと思いました。選手の皆様、ボランティアの皆様たいへんお疲れさまでした。
思い出せば前回1964年のとき私は小学校４年だったか、輪郭のぼけた家の小さな白黒テレビにかじりついて凄い凄いといってみていました。当時はカラーテレビというものはめったにお目にかからず、あとで写真誌を見てユニフォームの鮮やかな色に再度感動したものでした。そのことだけでも技術の進歩を感じました。重量挙げのポーズを皆でやったり、そうそうあのドン・ショランダー選手は今どうしてるのでしょうか。
観客のいない立派な競技場で競い合うことを、アメリカの某ニューズペーパーは「幽霊船」と表現したそうですが、選手の真剣さは十分伝わりました。それにしても日本選手の頑張りには敬意を表します。新しく取り入れられたスケートボードは、昔友達と公園で難しい技を競い合った遊びの雰囲気もありましたし、空手の型では海外選手を含めド気迫に圧倒されました。空手は次回のパリでは採用されないようですが、日本が誇れる迫力でした。
世界の国々でそれぞれ得意競技があるのをみても、競技種目を増やすことは良いかも知れませんが、競技場を揃えるだけでも主催都市はたいへんハードルが高くなります。オリンピックは面白いものの、とにかく金がかかるということではいつまでも続かなくなりますね。どこかの国のように国威発揚を目的にメダル数競争に終始するようでは、競技者が楽しそうでなく強制奴隷のようにも見えます。
開会式と閉会式は眠い目をこすって観たけれど、長い割には感動を覚えませんでした。日本古来の歴史や文化が感じられないし、なにかひねり出して取って付けた感がありました。全員参加のコロナ退散豆まきとか、大盆踊り大会でもあればよかったのにね。聖火なんかも水素燃料と聞いてたけれど、あれはブルー水素でしょ、チョロチョロ燃やしてもプリズムや反射なんかで明るくしたりした工夫があってもよかった。連発花火も北京オリンピックの二番煎じのようで、真ん中から打ち上げ三尺玉の方がよかった。でも閉会式で流れた古関裕而作曲のオリンピックマーチはよかった、これぞ名曲！
とにかく、次はパラリンピックそして大谷のメジャーリーグが楽しみです。私のひいき球団はとっくにペナントレースから落ちこぼれていますし。北京冬季オリンピックはどうもボイコットになりそうだし、どうせ国威発揚目的のオリンピックはあまり見たくないしね。
2021年8月 三宅 仁
